医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

体表損傷1-圧迫痕~法医学を学ぶ

今回は法医学について、

「体表損傷」の「圧迫痕」を学びます。

以前話した通り、法医学では、

事件に巻き込まれた死体の判断などもあるため、

今回の内容はそちらの話とも絡んだ内容となってきます。

ニガテな方はここで読み終えたほうが賢明かもしれません。

 

では、学習を進めていきます。

 皮膚から観察可能な損傷・異状所見

体表損傷と聞いてまず思い浮かぶのは、

「皮膚が切れて出血した」かと思います。

それもあります。

ただ、学問的には、皮膚で観察される損傷は、

4つに大別できます。

それは

  • 圧迫痕 Copression marks
  • 変色 Discolorations
  • 表皮剥奪 Abrasions
  • 創 Open wounds

以上に分けられます。

少し怖い話も交えながら、それぞれについて見ていきましょう。

今回は圧迫痕について学びます。

 

圧迫痕 Copression marks

字面で言えば

圧迫痕は物が圧迫してきたところに生じます。

作用時間が長いほど、作用面積が短いほど、

圧迫痕が残ります。

圧迫痕は死後にも付きます。

(この言葉の意味は後で重要になってきます!)

また、圧迫痕から、「圧迫痕の原因になったもの」の

形状を特定することができます。

具体例で言えば

圧迫痕の具体的例は首つりです。

ロープの跡(索溝)が首に残ることは、

容易に想像できるでしょう。

また、圧迫痕は死後にも付くという事なので、

殺人事件などで、

人が死んだ後に、首つりに見せかけて首を縄にかけたときも、

痕が残ります。

 

ただ、頸がしまる時でも、

圧迫痕が残らないこともあります。

紐よりはるかに太いもの、例えば、タオルなどで

首を絞められても、痕は残りません。

 そのため、必ずしも

「頸部・首の圧迫」=「圧迫痕形成」でもありません。

 

圧迫痕と生活反応

死後の圧迫痕は人を惑わす!?

先ほど、

「また、圧迫痕は死後にも付くという事なので、

 殺人事件などで、

 人が死んだ後に、首つりに見せかけて首を縄にかけたときも、

 痕が残ります。」

と書きました。

これでは、首を吊った死体は全て、

「首つりで死んだ」と見なされてしまいそうです。

(殴られて死んだ人も、死体を首つりさせると、

 圧迫痕で、首つりで死んだように見えてしまう!?)

 

しかし、そんなこともありません。

生前についた圧迫痕と

死後についた圧迫痕は違うのです。

詳しく見ていきましょう。

生活反応と圧迫痕

ここでは、「生活反応」という言葉が大切になってきます。

「圧迫痕は死後にも付く」と書きました。

一方で、生活反応とは、

生前の生体反応」です。

例えば、首つりで言うと、

生前の首つりの圧迫痕の間には、

内出血や水泡が生じます。

逆に、死後に首を絞められた圧迫痕では、

出血や水泡を生じません。

そのため、

「この人は生前首を絞められたか、

 死後に首を絞められたか」が分かったりします。

こういう話は、話で聞く限りでは、推理小説みたいで、面白そうですが、

実際に目の当たりにすると怖いことでしょう・・・・

 

まとめ

今回は体表損傷の内、

圧迫痕

について学びました。

圧迫痕は生前にも死後にも生じます。

ただ、圧迫痕周囲の体の状態、

例えば、内出血しているかなどは、

生前に首を絞めたか否かで変わってきます。

生体反応というのでした。

 

次回からは残りの体表損傷

変色 Discolorations

表皮剥奪 Abrasions

創 Open wounds

等について学んでいきます。

ぜひお楽しみに!

 

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