医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

体表損傷2-変色・表皮剥奪・創~法医学を学ぶ

前回は法医学について、

「体表損傷」の「圧迫痕」を学びました。

体表損傷1-圧迫痕~法医学を学ぶ 

(初見の方用に前回と同じ内容を書かせていただきます。)

以前話した通り、法医学では、

事件に巻き込まれた死体の判断なども関わってきます。

法医学内容はそちらの話とも絡んだ内容となってきます。

ニガテな方はここで読み終えたほうが賢明です。

では、学習を進めていきます。

 

 皮膚から観察可能な損傷・異状所見

ここも前回やった内容です。

(初見者用)

体表損傷と聞いてまず思い浮かぶのは、

「皮膚が切れて出血した」かと思います。

それもあります。

ただ、学問的には、皮膚で観察される損傷は、

4つに大別できます。

それは

  • 圧迫痕 Copression marks
  • 変色 Discolorations
  • 表皮剥奪 Abrasions
  • 創 Open wounds

以上に分けられます。

少し怖い話も交えながら、それぞれについて見ていきましょう。

(前回は圧迫痕について学びました。)

今回は残りの三つについて学んでいきます。

 

変色 Discolorations

全体像

死体に見られる変色には以下の3つがあります。

(生体にもみられる場合はあります。)

  • 死斑(紫斑ではない)Livor mortis postmorten lividity
  • 紅斑 erythema
  • 出血 hemorrhage

以上三つです。

死斑Livor mortis postmorten lividity

死斑とは死後六〜十二時間を経て、皮膚に現れる紫色の斑点(はんてん)

と言われています。

実はshihanという音が同じ、

紫斑は次に記す出血で起きるものです。

死斑は色が紫で紫斑とも言えますが、

死斑と紫斑は違うので注意しましょう。

(自分でも書いててよくわかんなくなる・・・)紅斑 erythema

紅斑erythema 

紅斑は血管の拡張で起こります。

代表的なものは、

  • やけどした時の皮膚
  • しもやけ(凍傷)

で手などが赤くなるのは、

紅斑の一つです。

 

出血 hemorrhage

出血総論

出血では、紫斑が見られます。

いわゆる内出血です。

傷口がぱっくり割れるのは違います。

それは変色ではありません!

傷口がぱっくり割れるのは

創です。

もう一度確認すると、

  • 圧迫痕 Copression marks
  • 変色 Discolorations
  • 表皮剥奪 Abrasions
  • 創 Open wounds

この分類の、「変色」の中の

「出血」です。

反対に創は、「傷口がぱっくり割れた」けがです。

ここで簡単に学習しておきましょう。

 老人性紫斑

病的な出血による紫斑は、

高齢者によく見られます。

老人性紫斑といわれます。

脂肪が少ない場所、

つまり手背などで出血してしまうことがよくあります。

 皮下出血

老人性紫斑は病的な出血です。

逆に、殴られたりして出血することとして

皮下出血があります。

タンスに足をぶつけて赤くなるのは、

皮下出血によるものです。

ただ、脂肪が多い臀部(おしり)などでは、

皮下出血を起こしても、

眼に見えない場合もあります。

(脂肪に隠されてしまう)

 皮下出血の色

皮下出血は

  1. 赤色・青色(新鮮)
  2. 黄色調(4~7日のことが多い)
  3. 黄色(7=10日のことが多い)

という順に変化していきます。

日数についてはあくまで目安。

 大切なのはその皮下出血が古いか新しいか!)

 

事件で「背中をぼこぼこに殴られて死亡した」

人がいたとします。

ここで、お腹にも内出血があったとします。

こんなとき、お腹の内出血と、

背中の内出血は同時に起きたか?

を調べます。

そうすれば、「背中を殴った犯人はお腹も殴ったか?」

という判断をすることになります。

特殊な皮下出血

二重条痕

これは特別な皮下出血です。

こん棒など、太いもので殴られた場合、

ぶつかったところからは内出血せず、

その棒の両縁に、帯状の出血を形成します。

表皮剥奪 Abrasions

いわゆる擦り傷、擦過傷です。

表皮剥奪には、

  • 擦過性表皮剥奪
  • 圧迫性表皮剥奪

があります。

表皮剥奪を観察すれば、

その方向に擦り傷ができたかわかります。

擦過の遠位端に表皮片が観察できます。

まとめ

今回は

体表損傷における

変色・表皮剥奪(・創も少し)学習しました。

変色の度合いで、

いつごろ内出血が起きたかもわかるのでした。

ぜひ復習なさってください。

 

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