医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

運動制御~キャッチボールができる~

キャッチボールができる。

これは当たり前のようですが、

実はロボットには難しいのです。

(最近になってようやく小さい子供レベルのキャッチボールができるくらい?とかそんなレベル)

 

なぜこうなるか。

問題は「運動制御の問題」

として知られています。

具体的には四つ。

1自由度の問題

2知覚と運動の統合

3順序、タイミングの問題

4運動は学習される(ヒト)

パッと見では何言ってるかわかりませんね笑

具体的例を交えながら見ていきましょう

 

1自由度の問題

早速ですが問題です。

今右手で、自分の鼻を触ってみてください。

 

この時、自分の手が取った経路(手の動き方)は

おそらく人により様々だったでしょう。

全く同じ運動をしろと言われても難しいですよね。

(真似しても数ミリ単位でもズレはあります)

つまり鼻の触り方の経路、手の動き方なんて無限に存在します。

このなかから一通りの触り方を選んで、初めて、鼻を触ることができるのです。

ロボットだと、

「どうやって触ろう(どの経路で触ろう)?」

と計算なんかしちゃってもう大変。

 

ですが、人間は、「この手の動き方で鼻を触るのだ」と

脳が勝手に判断してくれるおかげで、

言われれば鼻をスッと触ることができます。

 

運動のパターンはいろいろである(自由に選べる)から

その分、ロボットには難しいわけです。

 

2知覚と運動の統合

キャッチボールの問題に戻りますと、

ボールをキャッチするとき、

我々は、ボールが動いているのを見て、

ここらへんに手を構えればボールがキャッチできると思って

手を伸ばしてキャッチするわけです。

 

「ボールを見る」のは視覚(知覚)で

「キャッチする(手を伸ばす)」のは運動です。

両者は別物ですね。

個々の二つをつなげるのは、意外と難しいものです。

次の「3順序、タイミングの問題」と併せて考えると

分かりやすいです。

 

 

3順序、タイミングの問題

またまたキャッチボールの話をしますと、

我々は、「ボールがここに来るだろう」と予測して、

「この瞬間に手を伸ばせ」と脳が判断することで

ボールをキャッチすることができるのです。

 

例えば、ボールが5メートル先にあると見たとき、

ロボットだと「ボールが来た」と判断して

「どこに手を出せばいいかな」と考えているうちに

ボールはもう自分の所まで来ています。

(自由度の問題とも少し似ていますが)

将来のことを予測して、

それにあわせて体を動かすのは難しいのです。

 

4運動学習の問題

なにかスポーツを見たとき、

例えばテニスだとしますと、

初心者と経験者ではストロークが全く違います。

初心者はどことなく動きが硬く、

経験者は滑らかに「キレイに」動きます。

これはなぜかというと、経験を積むうちに

体が運動を覚え、無駄な力が入らないからです。

この運動学習は人間独自のものです。

ロボットは、

「上から30度の角度で入ってきたらこううつ」

「31度の角度できたらこう、うつ」

とは覚えられますが、

見たことがない(経験したことない)ものに対して、

「なんとなくこうやったらうまくいくやろ」

とボールを打ち返すことができないのです。

 

自分で動きを学習して、考えて、使っていく、

普段は意識してないことでも、

これはすごいことなのです。

 

まとめ

以上偉そうに、「ロボットはこれできない」

なんて言ってはいましたが、

実際最近のロボットはすごいです。

キャッチボールはできなくても、

センサーとモーターなんかでゴールキーパーができるロボットもいます。

すごいです。

ですがそういうロボットはごくごく最近の研究から作られたものです。

そういうロボットはたくさん作ることができるわけでもなく、珍しいです。

なぜなら、こういう技術は難しいからです。

 

そういう難しいことを、簡単にやってしまうのが

人間の脳であります。

脳ってすごいんですね。

「1運動の自由度」の中で、いろんな運動の仕方から

1つの運動を勝手に選択する(取捨選択)は

脳がいい意味でずぼらだからかもしれません。

 

そんな素晴らしい脳をどんどん使っていけるよう、

良く学び、よく遊びましょう!

 

以上、脳と運動制御に関するまとめでした。

 

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