医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

職業環境と腫瘍

これまで、がんの五年生存率は6割、と学び

がん(総論)

感染症でもがんになることも学びました。

( がん(性質と転移について))

 

そして今回は、職業環境によるがんについてです。

例えば「アスベスト」って知ってますか?

昔は建築資材として重宝されていたらしいですが、

今は肺がんを引き起こす有害物質として知られています。

アスベストによる健康被害は労災認定もされています。

ではそのような、職業環境とがんについて学んでいきましょう。

職業環境と発癌の歴史と仮説

職業環境により引き起こされるがん、

いわゆる「職業がん」は産業革命の時期から始まったとされています。

産業革命で製造業、化学工業が発達して、

化学物質などで腫瘍が誘発されるようになったのです。

 

職業がんの最初の報告は

1775年、煙突掃除人は陰嚢癌になりやすい

と報告されたことです。

そこから、1915年日本人の山極勝三郎さんが、

世界で初めて人工的にがんを誘発し、

化学物質でがんは誘発されると考えられるようになってきました。

そこから多くの発見がありながら、今日に至ります。

 

環境と発がんの根本となる考え方

さて、そのような歴史の中、

職業環境と発がんについて研究されてきたわけですが、

この研究の基盤となっている考え方があります。

Virchowの刺激説です。

Virchowの名前は転移の所でも出てきましたね。

(Virchowさんはがんに関する研究で多くの功績を残した人らしいです。)

このVirchowの刺激説とは

慢性的に持続して刺激があると、

生体の構成細胞の性質を変化させ

がんを発生させる

というものです。

いまとなってはごくごく当たり前ともいわれる考え方ですが、

シンプルに全ての説明ができる説、というものは

なかなか素晴らしいものなのですね。

この説から劇的に研究が進んだとされています。

ぜひ、知っておいてください!

 

 

 アスベスト

=補足=

以上のように研究されてきたわけですが、

大体危険なものは、国により規制されるので、

規制された物質による健康被害の人は少ないです。

そのため、医学部ではあまり習いません。

しかし、アスベストに関しては

完全に禁止されたのが2004年で、今なお、

アスベストが残っている建築などもあります。

今後、病院に来院される方で、

アスベストの被害を受けている人も考えられるため

医学部では学ぶわけです。

(主に病理の授業で習います。健康被害を受けた人の、肺のプレパラートを観察させてもらいスケッチしたりします。)

 

アスベストについて

アスベストは天然鉱物繊維で安価のみならず、

耐熱性や弾力性をもち、建築資材等に使われていました。

アスベストにはアスベスト繊維と、

繊維が鉄に巻き付いてできたアスベスト小体があります。

この鉄が、体内で酸化還元反応に関わったりして発がんを引き起こします。

特に胸膜悪性中皮腫を引き起こすことで有名です。

 

今日のkey words

職業環境と発がん Virchowの刺激説 アスベスト

 

 

参考記事一覧

がん(総論)

がん(性質と転移について)

がんと感染症

職業環境と腫瘍

たばことがん

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