医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

スクリーニング・検診と健診~がん検診を受けに行こう

検診と健診、意味が違うことはご存知でしょうか?

今回は検診、スクリーニングについて学びます。

 

検診と健診

検診と健診については以下のような定義で

違いが定められています。

  • 検診 screening:健康な集団を対象に、疾病の早期発見を目的に行われる検査。疾病死亡率の減少を目的に行われる。
  • 健診 health examination:健康な集団を対象に、健康確認を目的に行われる検査。 

 

日本で行われているがんのスクリーニング

対象がん

今や死亡原因のほとんどとなるがん

  • 胃がん(毎年腹部X線検査)
  • 肺がん(毎年胸部X線検査と喀痰細胞診の併用
  • 大腸がん(毎年便潜血検査)
  • 子宮がん(隔年視診・触診とマンモグラフィーの併用
  • 乳がん(隔年視診など)

これらのがんに関しては、日本では

市町村で健診が行われています。

 

日本は受診率が低い

これらのがん検診、

日本は受診率がとても低いです。

10%~25%程度です。

他の先進国では70%超え等はざらです。

検診で癌が発覚したほうが、

症状が出始めてからがんと発覚したほうが、

はるかに予後が良いです。

検診の価値はあります。(あるからスクリーニングが行われている)

ぜひ、スクリーニングを受けましょう。

スクリーニングの検査精度と指標

 しかし、スクリーニングで、

「あなたは肺がんかもしれません精密検査を受けましょう」

と言われても、肺がんではないケースがあります。

 

以下の表を見てください。

    がんかどうか
    がんである がんではない
検査結果 陽性 a b
陰性 c d

 

検査結果から以下のようなことが分かります。

  • aの人はがんであり、検査で無事がんは発見されています。
  • dの人はがんでないし、検査でがんでないとは証明されています。 

ただ、

  • cの人はがんであるのに検査では陰性が出てしまいました。(がんが見逃されています)
  • dの人はがんでないのに検査では陽性と出てしまいました。

これらのような間違いも出てきています。

これらの数値は以下のように解釈されます。

  • 感度 sensitivity  = a/(a+c)  病気を持っている人で、正しく陽性と判定される割合
  • 偽陰性率  false negative rate = c/(a+c) 病気を持っているのに見逃されてしまう割合
  • 特異度 specificity  = d/(b+d) 病気がない人で正しく陰性と判定される割合
  • 陽性反応適中度  positive predictive value=  a/(a+b) 検査で陽性と出たときに、当人が病気である割合

陽性反応適中度、これは大切です。

「検査で陽性と出ちゃった...がんかもしれない....」となります。

ただ、精密検査してみれば「がんじゃなかったのか~」となることもあります。

陽性反応適中度はこの逆。

検査で陽性と出たときに本当に病気である確率です。

日本で行われているがん検診は、

陽性反応適中度はおよそ5パーセントです。

検査で陽性と出ても、95%の人はがんではないのです....

 

がんの見逃し~偽陰性率

偽陰性率

もっと大変なのは偽陰性率です。

「がんでなかった!よかった~」

なんて言っていたら、後で「癌でした」となるのです。

困ります。

偽陰性率はがんになった人の

およそ10~25%と言われています。

見逃しの原因

見逃しの原因としては、

  • 献体の不適切な採取・保存の問題
  • 検査で見つかりにくい影にがんがあった
  • 機器ががんのおおきさにおいつかなかった
  • がんが早期すぎて小さくて見えなかった
  • 検査した人の能力不足

このような原因があります。

困ったものです。

検診はこんなもんともいえます。

がん検診を受けよう!?

言ってしまえば

「がん検診は見逃しが多い」です。

「陽性」と出たときは、大体ががんですが、

がんのひとでも20%近くの人が陰性とも出てしまうのです。

(陰性と出た人の大体は陰性である。

 陰性と出た人の多くが陽性なのではない!)

 

では、受ける必要はないのか?

僕は積極的に受けるべきだと考えています。

がんは早期発見がとても大切です。

ちょっとの時間の検査で、

大体のがんが発見されるのならば、

受けといて損はないかなという感想です。

 

皆様はどうお考えでしょうか?

個人的には検診を受けに行かれることをお勧めします。

 

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