医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

慢性炎症と炎症の治癒

慢性炎症は字の通り慢性的な炎症ですね。

 

急性炎症が亜急性炎症、慢性炎症と変化していくと前の記事に書きました。

炎症の分類 ) 

では、急性的炎症は必ず慢性的炎症になるか?

 

答えはNoです。

副鼻腔炎が常に慢性的蓄膿症になったら大変です。

今回は急性炎症がどのように慢性炎症になったり

治癒したりするのか見ていきましょう。

 

 

炎症の進行と治癒

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上の図を見てください。

傷害が起きると、急性炎症が起きます。

急性炎症は、うまくすれば、完全治癒します。

しかし、炎症が長引くと、慢性炎症になります。

慢性炎症では線維芽細胞が働くのでしたよね?

炎症部位は、繊維化で、元の通りにはならず、

瘢痕治癒となります。

(大きなけがをした後の皮膚は固くなったりしますよね?それです。)

以上が炎症の進行と治癒の大まかな流れです。

 

治癒ー組織の再生

急性炎症が起きたときにすぐに回復(再生)すれば、

何も問題はないわけです。

では、治癒はなぜ遅くなるか?

遅くなる理由はたくさんあります。

(今回は5ポイントのみ書きます。)

1年齢

若い人ほど、治癒ははやいです。

2栄養不足

再生に必要な栄養がないと、再生は遅れます。

栄養はたくさん取りましょう。

3感染

炎症部位が不衛生だと、治癒にも時間がかかってしまいます。

4炎症部位を安静にしない

スポーツで起きた炎症なんかはよくあります。

筋肉痛なども炎症の一つです。

無理をせず、安静にするのが、回復への一番の近道です。

5機械的刺激が多いとき

4と少し内容はかぶりますが、

炎症部位には刺激が少なくなるようにしましょう。

 

これ以外にもホルモンや血腫の有無なども

治癒の速さに影響を与えます。

 

では、治癒が遅れるとどうなるでしょう?

そうです。

慢性炎症が起きます。

では、慢性炎症とはどういうものか、

急性炎症との違い等も踏まえながら見ていきましょう。

慢性炎症

慢性炎症は、急性炎症が数か月程度たった時になり、

リンパ球や形質細胞が体の中では働いています。

 

炎症反応により組織が壊されているのですが、

同時に、血管新生や、組織の繊維化による

修復へのプロセスもたどっています

 

実は、慢性炎症にも分類がありまして

(以前の性質による分類は、主に急性炎症に使われる)

以下の二つ。

1)慢性増殖性炎症

炎症が起きる→線維化

 による、「よくある」慢性炎症

2)慢性肉芽腫性炎症

炎症部位に対してリンパ球などが取り囲み、

炎症部位が丸く取り囲まれる炎症

 

 

 

肉芽組織と肉芽腫

ここで新しい単語を紹介しましょう。

「肉芽組織」

これはいわゆる、炎症が治っていく過程の組織です。

つまり、炎症は、肉芽組織という組織の段階を経て、

瘢痕治癒に向かうわけです。

 

では肉芽腫はというと

「慢性炎症の状態の一つ」

「リンパ球などに丸く包まれた慢性炎症」

 

肉芽組織肉芽腫

めちゃくちゃ似た単語ですが、

意味は全く違いますし、両者に相関もほとんどないです。

少し難しいですが、両者の区別はきちんとするようにしてください。

 

 

まとめ

今回は、「炎症部位は最終的にどうなるか?」

を主なテーマとして話を進めてきました。

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この図をしっかりと理解してください!

 

では、今日の問題です。

Q1 肉芽組織と肉芽腫、それぞれの単語について意味を説明しなさい。

また両者の間に関係性はあるか、述べなさい。

 

答えは記事中にあります!ぜひ挑戦してみてください!

 

参考

炎症の記事

  1. 炎症(総論)
  2. 炎症の分類
  3. 慢性炎症と炎症の治癒

の順に読むと読みやすいです

 

 

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