医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

死体現象(晩期)崩壊と損壊?ミイラ化?九相図? 法医学

これまで早期死体現象について学びました。

  1. 死体現象(早期)~乾燥・死斑・死体の移動を調べる 法医学
  2. 死体現象(早期)~死後硬直・弁慶の仁王立ちと木口ラッパ兵~法医学
  3. 死体現象(早期)~冷却 法医学

今日は晩期死体現象について学びます。

 

死体現象の法医学的意味

死体現象の法医学的意味としては

  • 死の判定
  • 死亡時刻の決定

が挙げられます。

死体を見て、

「あ、この死体は何時ごろにあそこで死んだものだ。」と判断するのです。

晩期死体現象

虫!?

晩期死体現象はあまり見られることはありません。

例えば人の死体に虫がついたりします。

今回はそんな晩期死体現象について学びます。

 早期→晩期ではなく早期と晩期の併走

昨日まで早期死体現象について学習していましたが、

晩期死体現象は早期死体現象の後に来るのではありません。

早期死体現象と同時並行的に見られます。

(早期死体現象よりは遅れてみられる)

崩壊と損壊

晩期死体現象と言えば、

崩壊と損壊です。

  • 崩壊は自分で崩れていくこと
  • 損壊は他者により崩されること

を意味します。

 

崩壊

崩壊には自己融解と腐敗があります。

自己融解

自己融解では自分の消化酵素などが、細胞や組織を壊します。

膵臓(膵液を作る)や胆嚢で見られます。

生きているときは、消化酵素が体を溶かさないように、

体を粘膜が覆っていますが、死後はこの粘膜がなくなるため、

体を溶かしてしまうのです。

 

特殊な自家融解としては、

子宮内退治死亡時、死亡胎児が子宮内に遺残すると胎児は分解されます。(浸軟)

一種の無菌的崩壊です。

 

腐敗

腐敗によっていろいろな現象が起きます。

  • 腐敗変色 discoloration
  • 腐敗膨満 bloating 水分・ガスなどで膨らむ→巨人様観となる→「うちの人はこんな人ではない」となる(誰か判断できなくなる)
  • 腐敗血管網 marbling 血液は腐りやすい(黴菌が入りやすい)→血液のあるところが赤くなる(赤潮みたいなもの?)
  • 腐敗水泡 blister
  • 表皮の剥離 skinslippage 腐っているところは皮膚がむけやすい

腐敗によってこのような現象が見られます。 

損壊

損壊は主に、昆虫や小動物によるものです。

例えば死体にはウジ虫がわきます。

ウジ虫以外にもカラスなどの鳥が骨以外の臓器を食べてしまうこともあります。

モンゴルなどでは鳥葬(鳥に死体を食べさせる)こともやられているそうで、

それだけ鳥は、体を腐敗させずに、始末してくれるのでしょう。

 これらの損壊によって

死因が分からなくなることがあります

コラム1:ミイラ化

ミイラ化は乾燥した気候でのみ起こります。

つまり、日本ではあまり見られません。

乾燥死体では、同時に、晩期死体現象も起きることがあります。

 

コラム2:九相図

死体現象は昔から認識されていたようです。

死体の変化を表すものとして九相図というものがあります。

  1. 脹相(ちょうそう) - 死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。
  2. 壊相(えそう) - 死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。
  3. 血塗相(けちずそう) - 死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。
  4. 膿爛相(のうらんそう) - 死体自体が腐敗により溶解する。
  5. 青瘀相(しょうおそう) - 死体が青黒くなる。
  6. 噉相(たんそう) - 死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。
  7. 散相(さんそう) - 以上の結果、死体の部位が散乱する。
  8. 骨相(こつそう) - 血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。
  9. 焼相(しょうそう) - 骨が焼かれ何もなくなる

死体はこれらの変化をすっると、

昔から言われています。

昔の人も死体の変化を日常的に見ていたようです。

ぜひ今までの学習内容と一致しているか確かめてみてください!

死体現象についての記事はこちら

 

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