医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

研究で一番大変なのは実験ではない!理科の実験と研究の違い

今回は「研究で一番大変なのは実験ではない!前準備と後作業が一番大変!理科の実験と研究の違い」という内容で記事を書いていきます。

 

研究≠実験!研究は実験のみではない

小さな子供が「ぼく、しょうらいは、けんきゅうしゃになりたい」と言っていたとしましょう。おそらくその子供は、「白衣を着て、片手にフラスコを持ち・・・」といった「けんきゅうしゃ」をイメージしているでしょう。(僕は小さい時はそうでした。)

ただ、「研究者=多くの時間実験している人」ではありません。

「実験だけしている人」と言えば、どちらかというと、「実験をお手伝いする人」でしょう。機械を使う実験では「技術者さん」などがいます。「技術者さん」は、いつも実験室にいて、実験機会に不備がないか等をチェックしています。まさしく、「ずっと実験室にいて、実験している人」でしょう。

ただ、「研究者」には別の仕事があります。

  • 実験の前調べ
  • 実験の後の解析・報告

研究のためには事前に調べたり、後に報告を行ったりする必要があるのです。

実験よりそれ以外の方が大変

個人的な思いとしては、研究においては「実験よりそれ以外の仕事の方が大変だなあ」と思います。

「実験の前調べ」と「実験の後の解析・報告」それぞれについて見ていきましょう。

実験の前調べ~学習と実験デザインの作成・倫理審査

学習と実験デザインの作成

最初に行う実験の前調べは、つまり、「実験の背景」などの学習です。

様々な論文を読んだり、書籍で勉強することで、

  • 今どんな実験が行われているか(それはどんな中身の物で実験に問題はないのか?)
  • どんな実験は行われていないか
  • 現在の技術でならどんな実験を行うことができるか

などを勉強します。そこから、

  • これから自分はどんな実験を行うか
  • その実験で何が分かるか
  • その実験は将来どのようなことにつながるか

などを考えます。

 

倫理審査

「実験を思い付いた!じゃあ、実験してみよう!」というわけにはいきません。

実験の前に(特に生物系の実験だと)「倫理審査」が必要となってきます。

「本当にその実験は必要なのか?」「実験により、不利益を被る人はいないか?」などの審査が行われます。

この審査を乗り越えないと実験は行えません。

倫理審査は倫理申請書を提出して、1ヶ月後に審査されて・・・・みたいな感じでめちゃくちゃ時間がかかります。審査に落ちたらもう一度提出しなくてはなりません。また、実験プランを多少変更する時も、改めて、倫理審査に提出しなければなりません。

面倒くさいです。

ですが、ここを乗り越えれば、実験!

実験自体は楽!?

実験はそのプランによって、楽だったり楽じゃなかったりします。ただ、実験自体はプランに沿って進めていくことが多いので、楽なことが多いです。(思考を停止させて、働くようなもの。単純作業になりがち。)

「実験の前調べ」「実験の後の解析・報告」では、長時間、頭をうんうん使うと思えば、実験自体は楽と言えます。

実験をすすめながら、同時並行に、実験の解析等を進めていくと、後々楽になります。

 

実験の後の解析・報告

実験が終わったら、結果を解析し、報告しなければなりません。

データを一人で抱え込んでいても無意味です。

解析は、自動化されていたりしたら、まあまあ楽になります。

実験データを処理して、結果として、報告します。(プレゼン・学会・論文)

結果として報告すると、

  • これはどういう意味?
  • このデータは価値があるの?
  • 解析足りないんじゃない?
  • 確認のために別の実験もやってみなよ

みたいな指摘を受けます。厳しいですが、指摘を受けたら反論するか指摘に従うしかありません。

実験の時より疲れます。(精神的に)

改めて別の実験をしなさいとか言われると心が折れます。

研究において「実験」phaseよりそれ以外の部分の方が大変なのです。

 

理科の実験と研究の違い

ここでなんとなく、「理科の実験」と「研究」の違いが分かると思います。

理科の実験は

  • 実験手法は確定している(実験前の準備等は不要)
  • 実験結果も何となく確定している(実験後の解析等は不要)
  • 実験からわかる考察も何となく確定している(実験後の解析等は不要)

ということで、「研究」の「実験」部分しかしていないのです。

理科の実験では「実験の手技」を学ぶのです。

「研究とはなにか」みたいなことは学びません。

実務としての手技を学ぶのです。

これが「理科の実験」と「研究」の違いでしょう。

 

にほんブログ村 大学生日記ブログ 医大生へ