医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

産業医学~産業医の仕事・歴史・選任義務~ヒポクラテス

今回は産業医学について学びます。

 

産業医学とは何か

噛み砕くと

私たちは社会の中で労働をしています。

もしくは将来、働きます。

その職場では色々な病気があります。

職場のの人間関係や天災、作業環境による病気もあります。

また、労働者は、

本人の生活習慣や持病などにより病気になることもあります。

このような「働く人」をみるのが産業医学です。

定義

産業医学・産業医は以下のように定義づけされます。

産業医学

労働条件や作業条件と働く人々の健康とのかかわりを追求する医学

産業医

事業所において労働者の健康管理等について、

専門的な立場から指導助言を行う医師

産業衛生の目的

産業衛生の目的は以下の通りです。(ILO/WHO共催、産業衛生委員会1995より)

  1. 全ての職業における労働者の身体的、精神的および社会的健康を最高度に維持、増進させること
  2. 労働者の内で労働条件に起因する健康からの逸脱を予防すること
  3. 雇用中の労働者を健康に不利な危険から保護すること

以上が産業衛生の目的となります。

 

労働衛生の3管理

この目的のために、産業医らは、

労働衛生の3要素を管理します。

その要素とは、

  1. 健康管理(ヒトの管理)
  2. 作業健康管理(場所の管理、職場から健康被害のリスクをなくす)
  3. 作業管理(作業そのもの自体が安全なようにする)

です。

産業衛生・産業医学の歴史

産業衛生・産業医学については、

紀元前から言われていました。

例えば、医学の父・ヒポクラテスは

鉛精錬工と鉛中毒に関連があると報告していました。

日本でも菅江真澄(1754-1829)によって

鉱山労働者は早死にすると報告しています。

産業医学の父、Rammazziniによって

「働く人の病気」が書かれました。

働く人の病(クリックで商品ページへ)

鉱夫を始め42種の職業に関する病気を

1700年頃まとめた本です。

病気の発生における職業の影響を重視し、

有害物質の発生や有害な動作の継続の両面から、

予防法などを体系的にまとめた本らしいです。

 

そして、1760年頃から、

イギリスで産業革命が起き、

労働条件が健康に影響を与えるという考えが広まりました。

(産業革命以降、職場環境が悪くなってきていたため)

そして、産業衛生の考えが広まっていったのです。

産業医の選任義務

今の日本でも産業衛生の考えはあります。

  • 「常時50人以上の労働者を使用する事業所」は産業医を、
  • 「常時1000人以上の労働者を使用する事業所」は専属の産業医を、
  • 「常時3000人以上の労働者を使用する事業所」は2人以上の産業医を

選任しなければならないと

労働安全衛生法・労働安全衛生規制により

定められています。

産業医

産業医になるには

以前は、「医師免許がれば産業医になれた」のですが....

今は

  • 産業医学の講習修了者(日本医師会もしくは産業医科大学の講習会)
  • 大学などで産業医学を教える教授・助教授・常勤講師
  • 労働衛生コンサルタント(資格・保健衛生)
  • その他、労働大臣が定めるもの

このような医師が産業医となりえます。

産業医の権限・仕事

産業医は、労働者の健康を確保するために、

事業者に「勧告」する権限があります。

 

産業医の職務としては、

  • 安全衛生管理者に対して勧告、衛生管理者に対して助言
  • 毎月1回作業場を巡視し、職場環境が悪くないか確認する

が仕事となっています。

 

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