医学生の解釈(ブログ)

学生が医学部に入って得た視点など。医者の世界をのぞいた非医療人のブログ。

医学部で留年しやすい学年とその理由~国試と卒試のマジック

今回は医学部の留年事情について書いていきます。

 

医学部の留年データ

医学部の留年データは以下のようになっています。(引用文献です)

 

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ちなみに出典は以下のサイト 

  • 学校基本調査(文部科学省) 平成27-29年度→学校調査→大学・大学院→表番号10関係学科別学生数
  • 河合塾KALS医学部学士編入実施大学リスト

http://www.seachicken-med.net/article/a456457538.html より

 

グラフから読み取れることとしては、

  • 1.5年生は若干しか留年しない(4%程度)
  • 2.3.4.6年生はある程度留年する(7%前後)

ということです。

 

留年の数から学年の特色を読み解く

今回の記事としては、「1/5年生は留年しにくいのだね。」「それ以外の学年では留年しやすいのだね。」という結果だけを見るつもりはありません。なぜ、このような留年の結果になるのか。医学部の学生生活からわかります。今回は「留年の割合から、医学部生活を読み解く」ことをテーマに書いていきます。

各学年各論

1年生

1年生は、まず、留年は珍しいです。学校の授業内容は、一般教養がほとんどです。1年生から専門科目を勉強し始める学校もありますが、ほとんどは一般教養科目を学習します。一般教養科目は、単位を落としても、致命的なものでない場合が多いです。(他の授業をとれば、カバーできます。)そのため、留年は少ないと言えます。1年生で留年する要因としては、

  • 医療体験などの数少ない医学部の実習などで態度が悪かった(なくはない。まあない)
  • 一般教養で明らかに勉強しなさすぎた。授業をさぼりすぎた(稀)
  • 1年生から専門科目が始まっており、その数少ない専門科目の単位を落とした(なくはない)

2年

2年生になり、専門科目が始まります。専門科目が急にはじまり大変です。1年生は一般教養科目で、あんまり勉強しなくても良かったのですが、専門科目となれば、勉強せざるを得ない状況になります。(医学基礎科目の先生は厳しかったりする)

部活でも先輩となり、後輩の世話を焼いてあげなければいけません。急に、部内でのポジションが変わります。その変化に対応するのは大変です。

勉強しなきゃいけないのに、その他の用事も忙しい・・・となっているうちに、再試にかかったりします。解剖学などの大変な授業も2年生で履修するため、大変です。2年生が留年する理由として大きな理由は、

  • 専門科目が始まり忙しい(一般教養と同様の勉強量では足りない。受験期以来の、大量の勉強を久しぶりにするため、集中力がもたないものも出てくる。)
  • 1年生のお世話が忙しい。(部活でもそれなりに戦力となる。)

3年

2年生のころとは異なり、医学部の勉強にも慣れてきた3年生です。それでも留年者が出ます。一般的には、2/4/6年生の進級は厳しく、1/3/6年生の進級は簡単というのが定説ですが、3年生の留年率もそこそこにあります。カリキュラムの都合上、4年生の内容を前倒しに勉強していたり、2年生の内容を後れて勉強していたりして、忙しい学校があるため、3年生も留年率が高いと考えられます。(つまり勉強が忙しい。)

また、2年生の欄にも書きましたが、「基礎医学の教授陣は厳しい人が多い」です。(臨床医学の先生はそうでもない人が多い。)3年生は基礎医学を修める最後の学年です。大変だったりします。

他にも、3年生から、部活の会計やキャプテンなどを務める機会が出てきます。そのような人は大変だったりします。それ以外にも、部活での戦力となり、休めない部活は大変です。

以上まとめると、留年しやすい理由としては、

  • 基礎医学の先生は厳しい
  • 勉強が忙しい
  • 部活も忙しい

 

4年

4年生は臨床医学が始まります。臨床医学の先生は優しいため、そこまで留年者は出ません。(2-3年生の留年率に比べると4年での留年率は若干低い。)ただ、4年生から5年生に進級するためにはOSCE/CBTなる、「全国の医学部生皆が受ける試験」をパスしなければなりません。ここで、ある程度は留年せざるを得ないです。

4年での主な留年理由としては、「CBTがある」が挙げられます。

5年

5年生は実習のみで試験がない学校があります。(試験がある学校もあります。)試験がない学校では、実習に参加しておけば、とりあえず、留年はありません。そのため、このような低い留年率をたたき出したのでしょう。

6年

医学部の最終学年です。卒試と国試があります。卒業試験と国家試験です。国家試験は、合格率が90何パーセントになるように設定されているので、ある程度は合格しません。

また、各大学は(特に私立大学は)この国家試験の合格パーセンテージを高くしようと試みます。その簡単なやり方は、「国家試験に落ちそうな学生は、6年生で留年させる」ということです。これにより、自大学の国家試験合格パーセンテージをあげます。このため、留年率は再び上昇します。

また、卒業試験は、各大学ごとに作られますが、今までの勉強内容全てが試験範囲になります。国家試験と卒業試験が同じような問題なら大丈夫ですが、「学校独自のめちゃくちゃな問題」を出す学校もあり、その学校の学生は、「国試と卒試、どちらのたいさくもしなければいけない」ため大変です。

以上まとめると、6年生の留年の理由は以下の通りです。

  • 国試と卒試がある
  • 国試の合格率上昇のため留年させられることがある

 

まとめ

医師の3人に1人は留年していると言われるほど、医学部では留年が多く見られます。大学受験で、医学部合格は最難関レベルと言われています。そのレベルを突破した学生でも、かなりの頻度で留年します。人の命を扱うという事はそれだけ重大なことなのかもしれません。留年になったとしてお、へこたれずに、やるべきことをやっていきたいものです。

 

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