イントロ
以前、ポアズイユの法則を
学んだのを覚えているでしょうか?
こんな式です。
「どこでこんな式使うんだ?」
1つ例を持ってきたので、
どうぞ、読んでみてください!
血管のバイパス手術vsステントvs人工血管
人工血管とは?
「人工血管」という言葉を
書籍やメディアなどの情報から聞いたことはありますか?
人工血管は、人の手で作った血管です。
僕たちの体の中に入れて、
本来の血管の代わりの働きをしてもらいます。
(本来あった血管は取り除き、
そこに人工的な血管を縫いつけます。)
ただ、人工物を体内に入れることに
抵抗を感じる人も少なくはないです。
(少なくとも僕は抵抗を感じます。)
ただ、人工血管はすごいのです。
見ていきましょう。
バイパスの出番
まず、動脈硬化などに伴い、
血管が細くなる(狭窄)がおこったときを考えましょう。
ここでは、血管抵抗が大きいです。
血圧も上がります。
(血圧=循環血液量×血管抵抗 でしたね!)
そのようなことが起きたとき有効な治療法として、
狭窄が起きた血管をバイパスさせます。
バイパスのイメージとしては、
血管の通り道が一本だったところを、
2本にしてやるイメージです。
ポアズイユノ法則の利用
ハーゲンポアズイユの法則に従えば、
半径がa の円筒型の管の流動抵抗はa4 に反比例するる。
ここで、血管を円筒としてみる。
(科学では、モデル化が大切)
血管の狭窄により、
血管の半径が半分になったら、
流動抵抗は24=16より16倍になる。
このとき血圧が一定だったなら、
流れる血流の量はその逆数倍(16分の1)になる。
参考
血圧=一定
血圧=循環血液量×本来の16倍の血管抵抗
ここで、バイパスすることを考えよう。
(ややこしいので計算略)
このとき、バイパスするための人工血管は
本来の血管のおよそ0.98倍の半径の血管が必要になる。
これでは、
ほとんど本来の血管と同じ太さの
人工血管を用意しなければならないとわかる。
これは、細い血管ならまだしも、
太いものになると非現実的である・・・・残念。
ちなみに~ステント
バイパスにはこのような現状がある。
そのため、これに対して
ステントなどの治療法が確立されてきている。
しかしながらバイパス手術をしたほうが、
薬物治療をした時よりも死亡率が低いとされている。
また、ステントなどは太い血管に対してはできない。
一方でバイパスも太い血管に対しては、
血管の準備の問題から難しいことは上に述べた。
人工血管の出番!
ここで人工血管が重要になるのである。
長い歴史から、人工血管は、
人間の体内でも使えるようになった。
人間の血管の代用を果たしてくれるのだ。
以上のことから、人工血管は今や、
循環器系の疾患に不可欠な存在となっています。
まとめ
僕は何も知りませんでしたが、
ポアズイユの法則を使えば、
血管バイパスの限界は分かると思います。
物理というのは、
数式が言葉として理解できてなんぼです。
医学部にいるとついつい大学受験のその感覚が
抜けてしまいます。
ぜひ、式をみたらいろいろ考えてみましょう!